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ローマから飛行機で南西に約1時間、サルデーニャ島に飛びました。 陸続きでないというアクセス面での億劫さから、いつか行こう、行こうと
思いながらもつい後回しにしてしまっていたイタリア20州のうちのひと つの州です。
今回、サルデーニャの文化を日本に紹介しているカリオ氏と いうイタリア人が案内して下さる機会に恵まれ、これ幸いとご一緒した次第。
ローマのフィウミチーノ空港から島の南東部、海岸沿いのカリアリとい う地区に着くと、おいしい魚介料理を味わう暇もなく、すぐに内陸部のバ
ルバージャ地方を目指しました。‘内陸 ’こそにサルデーニャの真の伝 統文化がある、とカリオ氏は強く主張するのです。
彼の説明によると、古代ローマ人がこの島に来るまではサルド人と呼ば れる先住民族が住んでいて、羊を飼い、その乳からチーズを作り、遊牧の民としてのどかに暮らしていたそうです。
サルド人はアジア系騎馬民族を ルーツとし、遠い遠い先祖に東洋の血が入っているからでしょうか、髪は
黒々として背もそれほど高くなく、その風貌はどこか日本人に似ているよ うにも思われます。
海岸から船で古代ローマ人が次々と上陸してくると来ると、争い事を好 まないサルドの人々は戦争を避け、標高500m、そして1000mへと、 内陸の山あいの地を奥へ奥へと移り住んでいったとか。
そう、ここは、戦 いを好まない、心優しい羊飼いの島だったのです。 こうしてカリオ氏の言う‘内陸’であるバルバージャ地方に、イタリア の他の州とは民族的にルーツの異なるサルデーニャ島ならではの伝統文化 が受け継がれているのです。
今でもサルデーニャ島には約600万頭の羊が生息していて、「この島 に3日居て羊を1頭も見ないで過ごすことは不可能」と言われているくら い。当然のことながら、この地方の伝統料理は羊肉のグリル、羊肉と野菜 との煮込み、そして羊の乳から作ったペコリーノ・チーズを使った料理な ど、羊と切り離すことができません。
そのひとつ。セバータと呼ばれる伝統的なお菓子を紹介しましょう。直径12cmくらいの円形の揚げ菓子で、中にペコリーノ・チーズを詰めます。
生地は手打ちのパスタとほぼ同じ。薄力粉に卵、水を混ぜて練り混ぜ、 厚さ1、2mmに薄くめん棒でのばします。
中心に、ペコリーノチーズの なかでもとりわけ熟成の若いものをのせ、上からもう一枚生地をふんわり
かぶせて回りを指で押さえて貼り付けたら、ナイフでぐるりと丸く切り落 とします。ラビオリを作る要領と同じです。これをオリーブ油でカラリと
揚げ、器にのせて蜂蜜をかけたら出来上がり。
味のポイントとなるのは、クリーミィで、デリケートな味わいの熟成の 若いペコリーノチーズ。そして濃厚な蜂蜜。蜂蜜のほうは最近は日本でもずいぶんおいしいイタリア産のものが手にはいるようになったのですが、
問題はペコリーノ。
専門のチーズ屋さんには並んでいるものの、ここまで熟成の若いペコリー ノとなるとどうかしらん...なにか他のチーズでは代用できないかなぁ
...などと思いを馳せながら、でも一方で日本で簡単に再現できないか らこそ良いのかな、とも思い直します。わざわざその地に行かなければ食
べられない、そんな伝統料理のひとつでしたから。 |
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