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クリスマスのイルミネーションが美しいミラノを最後に、イタリアより 先週日本に戻りました。ブランド通りとして名高いモンテナポレオーネ界隈は、各道筋毎に趣向をこらした飾りつけでセンス良く彩られ、夕暮れ〜 夜にかけてそぞろ歩きをしているだけでもわくわくするような幻想的な美 しさでした。
クリスマスが近くなると、お菓子屋さんのショーウインドにはパネットー ネと呼ばれる背の高いパン菓子が積み上げられます。
トニーという人が作っ たパン、というイタリア語(パーネ・ディ・トニー)から名がついたとい
われ、直径約20cm、高さも20cm近くあるドーム型をしていて、レモンやオレンジの砂糖漬けなどを生地に混ぜ込んだ甘いパンです。
このよ うなドライフルーツ入りの甘いパンは宗教的な捧げ物としてイタリア各地
にあるようですが、とりわけミラノ式のドーム型をしたパネットーネが、 今ではイタリアのクリスマスのパンとして定着しています。
自然酵母を使った伝統的な作り方はとても手が込んでいて、なかには3 日がかりで焼き上げる職人さんもいるほど。
もちろん一般に出回っている のは工場で作った大量生産の手軽なもの。伝統的レシピでなくたとえ略式 のものであっても、これを手作りするマンマはほとんどいなくて、市販品 のパネットーネを買ってクリスマスを祝います。
ただクリームを手作りし て添えてみたり、詰めたりしてワンランクアップするマンマも多く、なか
には横2、3段に切り分けてケーキのように飾ったりも。
「パネットーネ に添えるとおいしいのよ」とミラノのマンマから教わったオレンジ風味のクリームは、マルカルポーネチーズをベースに、卵黄、グラニュー糖、生
クリーム、そしてオレンジ果汁を加えたとてもおいしいもので、うちでは ふんわり軽くアレンジし、デサートとしてそれだけで食べているくらい。
このパネットーネ、作り方は同じでもボローニャあたりに移ると背が半 分くらいに低くなってパンドーロと呼ばれます。
ミラノでテレビを見ていたら、季節柄このパネットーネを取り上げてい ました。その中で興味深いひとコマが....。
「クリスマスにはパネットーネを食べますか?]と街角でインタビュー。
「ええ、もちろん」とにっこり微笑むマダム。
「クリスマスにはパネットーネよ」 「いつもこれ」とパネットーネ派が何人か続いていると、
「うーん、うちはパンドーロよ」と毅然と答えるマダムが登場。
「いいえパンフォテ。クリスマスはいつもこれ」と別のマダム。たぶん彼 女はシエナ生まれ。パンフォルテというお菓子は小麦粉にアーモンドやク ルミ、ドライフルーツなどをたっぷり混ぜて焼いたどっしりと重い、トス カーナ州の古都、シエナの伝統的なクリスマスのお菓子ですから。
そしてトッローネというお菓子と答えたマダムもいました。彼女はきっ と、はちみつと卵白、アーモンドなどを混ぜ合わせて作るこのお菓子を伝
統とする地域、クレモナ?サルデーニャ?あるいはシチリアあたりの出身 でしょうか?
クリスマスのお菓子にも、イタリアの地方性を垣間見ることのできるひ とコマでした。
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