イタリアのおいしい話 #9

「 ミニトマトで南イタリア風のパスタはいかが?」



 イタリアで食べる野菜はあんなにおいしいのに……。

 鶏肉も豚肉も、いいえ卵だって卵黄の色がずっと濃いのよね、などなど日本の食材 と比べて不満を言い出したらきりがありません。
 でもしかし、ここは日本の我が家。 この場所でそれなりにおいしく作るほかないのだからと、思い直すのです。
 とは言うものの、せめてソースにサラダにと出番の多いトマトだけでもおいしさに 力強さがあったらなぁ……。  

 そんなボヤキが聞こえたのかどうか。ナポリのマンマが教えてくれたのが、ミニト マトで作ったトマトソースでした。
 それまで”お弁当かサラダの彩り”くらいにしか 認識していなかった存在感の薄いミニトマトでしたが、普通のトマトより糖度が高く、 また当たり外れのブレが少ないような気もします。見た目は艶々と赤く、でもその割 にはおいしくない、という自称完熟トマトにはずいぶん泣かされましたから。

 特に秋や冬、トマトの旬をはずした季節に生トマトで、という時にはお薦め。作り 方は水煮缶やフレッシュトマトで作る普通のトマトソースと同じです。
 ミニトマトはへたを取って横半分か大きいものは4つ割りにしておきます。冷たい 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火でじっくり気長に炒めて香りを出したら、に んにくは取り出し、ミニトマトを加えて塩も入れ、そのまま煮込みます。
 ミニトマト は水分が少ないので、焦げつくような場合には水を少量加えて調節します。あればバ ジルの葉を仕上げに入れて香りを移したら出来上がり。
 とろとろのソースにしたけれ ば5、6分ほど煮込み、少し形を残したければ早めに火を止めます。

 個人的には、カドが崩れたくらいのかなり浅め、せいぜい2分くらい、さっと火を 通した仕上げが好きです。トマトソースとして、というより、具のひとつとしてのミ ニトマト。
 それが煮崩れて 「あらあらパスタに偶然からまってしまったわん」というイメージです。

 以下にそんなタイプの手軽なパスタをご紹介しましょう。

・えびとミニトマト、ルコラのパスタ  材料(2人分)

  スパゲッティなど好みのパスタ  160g
  えび               8尾
  ルコラ             約20g
  ミニトマト           200g
  にんにく           1かけ
  赤唐辛子           1本
  オリーブ油          大さじ2
  白ワイン           少々
  塩               適量

作り方 1 えびは殻と背ワタを取って2〜3つに切る。
   ルコラは適宜   ちぎる。 
   ミニトマトはへたを取って横半分に切る。
  にんにくは皮をむいて縦半分に切り、芯を取って包丁の
  背でかるくたたきつぶす。赤唐辛子は種を取る。
2 えびはオリーブ油少量でさっと炒めて軽く塩、白ワインを
  ふる。
3 鍋にオリーブ油とのにんにくを入れて弱火でじっくり
  香りを出し、赤唐辛子を加えて辛味を移す。にんにくと
  赤唐辛子は取り出す。ミニトマトを加えて炒め、塩を加えて
  2分ほど煮る。
4 たっぷりの湯に塩ひとつかみを加えてパスタをアル・デンテ
  にゆで、の鍋に入れ、とルコラを加えてあえる。
  パスタのゆで汁で濃度を調整し、塩味をととのえる。



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